雅峰生の手紙

私が妻や友人に宛てて書いた郵便から

手紙の過去分は順次当サイトから削除して『断章』としてまとめ、
『小説家になろう』に掲載後、 Kindle で電子書籍化しています

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想い出が積み上がる為には、実は前提が在ると思うのです。それは、自分自身を見失っていないという一事です。今も昔も変わらない自分が居る、斯く、一見した通り、此処に在るという事実です。それが無いと、人は回顧する事さえも出来ません。回顧しても何も無い、その事を既によく知っているから、さもなくば堪えられない故に意識的に回顧しないから、です。
ずっと変わらない自分とは、何に拠って実現するものでしょうか。自分が偉いからでしょうか。これは違います。そうではなく、ただただ、『ずっと同じものを追い駆けている』、それをしている自分だからではないでしょうか。だから自分を『信頼』出来るからではないでしょうか。次の瞬間、何を追い求めているのか判らない自分。それでは自分を信頼する事が出来ないのは勿論、自分が一体何者であるのかも判らない筈です。若き日に、否、何歳だって構いません、目標を見出して下さい。自分が涙と共にそれを抱き締める事が出来る目標を。