雅峰生の手紙

私が妻や友人に宛てて書いた郵便から

手紙の過去分は順次当サイトから削除して『断章』としてまとめ、
『小説家になろう』に掲載後、 Kindle で電子書籍化しています

5684-梅小路

御前は時々、話しながら自分で泣く様になったな。お父ちゃんもいずれは死ぬ、お空に帰るという事を知って、それで泣く様になったな。御前が生まれる前は御前は透明人間で存在していて、お父ちゃんの若い頃の事も見ていたと言うね。その、お父ちゃんがまだ若い時、お父ちゃんがお父ちゃんのお父ちゃんとどれだけ仲良しだったのかも知っているんだってね。御前は透明人間として、その様子を見ていたから。
命の光景というのがある。その一瞬の一コマで、その人の人生全部をもう完全に表して仕舞っている光景というのが。御前もそれを心にもちなさい。それを心にもって、そして生きて行くんだ。ずっと、愛している。

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20220402梅小路