雅峰生の手紙

私が妻や友人に宛てて書いた郵便から

手紙の過去分は順次当サイトから削除して『断章』としてまとめ、
『小説家になろう』に掲載後、 Kindle で電子書籍化しています

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私は本当に在るのか無いのか判らない様な希薄な人間関係に頼りません。寧ろそれを自分の生活の中から力尽(づ)くで削(そ)ぎ落とす事を潔(いさぎよ)しとする者です。どうせ頼る事の出来ぬもの、そんなものを自分の生活の周辺に幾つも置いていて、それで自分が何(ど)う励まされるのでしょう。無いのです。此方(こちら)の側が一方的に収奪されるだけの事です。
真実に自分が注意し、その動きを心に留め、あれこれと考えなければならないもの、その価値の有るもの、その為にこそ自分の注意力も意識も時間も実際の労力も注(つ)ぎ込むべきではありませんか。そういう行為、営みこそ、『賭ける』という姿勢ではありませんか。農夫は種子を蒔きます。けれどもその全てをではなく芽が出たものだけ育てます。それで良いのです。信じたものに賭け、そして『成果』を獲得して下さい。